青いバランス備忘録

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Montblanc Meisterstück149 名前の由来

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いわずと知れた万年筆。

モンブラン自体、多くの人が知っているし使っているメーカー、ブランドだと思う。その中でも149は知名度、人気、生産数、価格でトップだろう。揺らぐことのないフラッグシップモデルだ。

万年筆を知らない人が思い浮かべる万年筆の姿は、だいたいがこの149かもう少し小さい146だろう。

これだけ有名な万年筆なので情報も多い。ただし誤解もある。例えば、149という名前。

よく言われるのは、本体の長さに由来しているというもの。

これは間違い。でも、とりあえず測っておく。

まずは全長。

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全長は148ミリ。149にも見えるか? というくらい。

次に胴軸とキャップの長さ。端はきちんと揃えて測っている。

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胴軸は約130ミリ、キャップは約70ミリ。

全長は148ミリから149ミリくらいだった。

では149とは何か?

これは3ケタの数字にそれぞれ意味があり、その法則に従って付いているのだ。

まず1はモンブランにおいて、マイスターシュテュックを指す。

4はピストン吸入式という意味。

9はモンブランにおける万年筆の大きさの規格を示す数字。数字が大きくなればその分大きくなる。今のパイロットの15号ニブとか10号ニブみたいなもの。

全長に由来する、という誤解が生まれたのは149の長さが偶然149ミリだったからだと思う。実は、149の全長は製造時期によって149ミリと148ミリのものがあり、過去に製造された149全てが149ミリというわけではないのだ。現在製造されているものは149ミリだが、これが未来永劫変わらないという保証は無い。

しかし、長さが149ミリの149を手にした人が誤解してもおかしくは無い。愛好家や研究家でなければ149を何本も買い集め比較することはない。モンブランにとっては沢山売った内の一本でも、買って人にとっては唯一の149なのだから。